2020年の日本競馬界は、ものすごい盛り上がりを見せています。以前記事で書いた通りですが、今年は無敗の牝馬3冠馬が誕生。実はこれだけでも史上初の快挙なので大盛り上がりになるはずなんです・・・が。
今年はこれだけではなく、コントレイルという馬が無敗での3冠達成にリーチをかけているんです。そう、長距離戦の菊花賞を制することが出来れば記録達成。まぁ厳密にはG1をすでに3勝しているので3冠といえば3冠ですが。
とはいえやはり、王道のローテですから皐月賞・ダービー・菊花賞の3つを制する価値は非常に高いんですよね。これは能力だけでなく、多彩な距離や条件をこなせたという記録になるわけですからね。その後の種牡馬入りした時の価値も大きく変わります。
父ディープインパクトが達成した無敗の3冠馬という称号。その可能性とライバルについて少し書いてみようと思います。
可能性は高いが・・・絶対では
デアリングタクトの牝馬3冠はかなり高確率だと思っていました。不安があるとすればディープインパクト産駒が強いコースだったこと。京都の芝は庭のようなもので、事実2着と3着馬はディープの産駒でしたね。
では、ディープインパクト産駒であるコントレイルの不安点はどこにあるのか。それは、距離適性の壁ですね。過去に3冠に挑み、達成できない馬もいますがこの菊花賞は本当に試練です。
多少のタフさやスピードがあれば皐月賞とダービーは制することも可能。ですが菊花賞は3000mという本当に長い距離。クセがあるコースですので、極端に得意だったり苦手だったりする馬が出てくるんです。
同世代なら負けないという意見もありますが、長距離大歓迎の馬が出てくれば苦戦する可能性はあります。なぜなら、血統を考えてもコントレイルにとって歓迎する条件ではないと考えられるからです。
ディープインパクトにファピアノ系の配合ですが、これは最近よく走る傾向にあります。ただしそれは、スピードが活きる舞台が多い。菊花賞でスタミナ比べになった場合、どうなるかは正直わからないという不安があります。
これに雨でも降ろうものなら本当に嫌だと思いますよ。なのでデアリングタクトほど絶対でもない気がしています。
この馬が怖い
怖いライバルですが、傾向としてはヨーロッパ系の血統を持つ馬の存在。また日本でも、オルフェーブルなどのようにステイゴールドといったタフな馬が血統にある馬。この辺りが怖い存在です。
例えばヴェルトライゼンデは昨年この菊花賞を制したワールドプレミアの弟。成績を見ても兄のように仕上りはゆっくりに思えるので、本格化するならそろそろかこの先。
前走も菊花賞を意識したような騎乗でしたから、侮れないでしょう。
展開に恵まれたい
このように絶対の存在ではないので、スピード比べの展開になればと思うところですね。スタミナ比べでは正直ほかにもチャンスが増えてしまう。
怖いのは徹底マークと極端な競馬を狙う馬です。大逃げでまさかの粘り、最終コーナーで囲まれて動きにくくなる、こういう事は考えられる中ではかなり嫌な状況です。もちろん、鞍上もそうならないように競馬すると思いますが。
これまで以上に全員が敵になる3冠最終戦。仮に能力断然でも、簡単ではないのは事実ですね。